2008年 09月 05日
雲式002

とあるマンションの一室を全面リノベしました。




いい意味でも悪い意味でも、人はいいかげんな生き物です。
私自身も、数年前に考えていた事柄と現在考えている事柄は、まるっきり違っていたりします。
つまり、人間は日々、進化・成長する生き物であって、それは当然、身体的にもいえる事です。
・・・で、建築はどうか。
一般的には、一度作ってしまったものは解体するか改築するかしないと、変化することは困難です。

生活スタイルの変化や家族構成の変化に対し、ある程度、柔軟に対応できる術があれば、
(しかも、住み手自身の手によって)永く愛され使い続けられる建築ができるのではないか・・・
そんな単純な発想から「余白」をもつ空間や「可変」する空間の提案をするときがあります。
(・・・もしかしたら、日本人特有の「あいまいさ」がベースとなり、過去の日本建築が
 生まれ育ってきた節もあるのではないか、と勝手に考えたりもしています)

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既存の3LDKを全面解体し、一から間取りを組み立て直しています。
ここでは、箱(可動家具)とパネル(引き戸)でそれぞれの個室空間を仕切り、
様々な将来的変化に対応できるようにしてあります。

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例えば、2つの空間に仕切った様子。
箱は全方向に動くので、このように整然と並べる必要はなく、アイデア次第で様々な間取りが生まれます。
可変時に邪魔となる照明器具は天井に埋め込まれており、勿論、位置を変えたり、増やしたり減らしたりできます。 
又、電源ケーブルやTV・TEL配線も、決めた箱の位置まで比較的容易に引っ張ってこれる工夫をしています。

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ここは、ご夫婦の寝室として設定している空間。
マットレスをしまう箱、お布団をしまう箱、洋服を掛ける箱、エアコンが納まっている箱、
様々な用途の箱で構成されており、全てをしまうと、表には何も出てきません。
唯一、昔から大事に使っているタンスは、奥の板床部分に鎮座します。

因みに、他の空間には、テレビをしまう箱や扉を開けると机になる箱などもあります。

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それぞれの個室に出入りする為の通路的な場所。
抜群に見晴らしの良い場所なのですが、この面に当る西日が強く、壁の断熱性能も悪かった為、
以前は、とても居心地のよくない場所でした。 今回、リノベーションするにあたって、断熱仕様のサッシとし、
また、壁内の断熱性能を上げるとともに、壁の仕上を無垢板貼り(カバザクラ)としました。
さらなる断熱と調湿を期待してのことです。 因みに床は無垢のチークです。

ちょっとしたことですが、エアコンを少しだけ壁に埋め込み、ダウンライトもさらに天井に埋め込むと、
それだけで、ずいぶんと空間がスッキリ見えたりします。

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ここは以前、浴室だった場所。
狭いところなので、広めの浴室が確保できる場所に移動させました。
そのかわり、新しく、洗濯・アイロン室兼リネン室として生まれ変わりました。
ここでも調湿を期待して、壁の仕上げに無垢板を採用しています。

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洗面脱衣室。
たっぷりの収納と、脱衣入れを組み込んであります。
奥の扉をあけると先程の洗濯室に入りますので、家事もスムーズです。

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インテリアの一部として見えるようにデザイン・製作したキッチン。
炊飯器用ワゴンや、ゴミ箱スペース、食洗機などを組み込んでいます。

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台所と食卓スペースを正面から見た様子。
モダンなデザインで一見冷たく見えますが、料理をしながら、家族の会話が弾めばと期待しました。
冷蔵庫は表から見えないように、TVを埋め込んでいるステンレス壁の裏側に。
左手に見える白い扉は、造り付けの食器棚です。
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by ysstudio | 2008-09-05 19:19 | works | Comments(0)


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